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活気取り戻すビンゴ店=麻薬、飲酒よりタチ悪い中毒

12月28日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】ビンゴ業界に活気が戻ってきた。賭博が全面的に禁止されているブラジルで、ビンゴはスポーツ団体やクラブへの資金援助を条件に営業が許可されていた。しかし脱税や贈収賄など不正資金の悪事が多発したことで、政府は暫定令により今年二月にビンゴ店の営業を禁止した。
 しかし五月に上院が暫定令を否決したことで、営業が再開。禁止前に全国に千百店あったビンゴ店のうち、八百店が営業を再開した。売り上げは二〇%減少していたが、今では往時の水準に戻っている。
 統計がないものの全国ビンゴ協会は、米国などで全人口の一・五%から四%がビンゴ人口となっていることから、ブラジルのビンゴ人口は最低一%と見積っている。さらに世界観光機関に加盟する百八カ国のうち、過去にビンゴを禁止したのはブラジルとキューバだけだという。
 ビンゴは至る所で営業され、ファベーラ内にもある。賭け金は一回一レアルから四レアル程度。しかし賭博につきものの「中毒」が家庭問題や社会問題に発展している。関係者らは、麻薬やアルコールよりもタチが悪いと指摘する。ビンゴ中毒更正施設も存在するという。
 例を挙げると、中毒にかかった母親が家事など一切を放り投げてビンゴ漬けとなり、見かねた娘が迎えに行ったが、母親は店の警備員を呼んで娘を店外につまみ出すよう命令した。また二十歳の女性は勤務中に抜け出してビンゴ店に通っていることが発覚して解雇され、収入が途絶えたことから家の物を持ち出して売ったり、父親の小切手帳を盗んで使用していた。借金は十万レアルに及んだという。結局ノイローゼで入院する破目となり、家族は借金返済に追われている。ビンゴ中毒患者は、金銭的トラブルはなくても家族や社会と断絶するため、精神的病いにかかり易いという。