1月4日(火)
大晦日恒例の餅つき大会が今年もリベルダーデ広場で十二月三十一日午前九時から行われ、七千袋用意された紅白餅も午前中には全て配布された。主催したリベルダーデ文化福祉協会(池崎博文会長)によれば一万人以上の人出でにぎわい、例年通りグローボ局始め三つのTV局が取材に訪れ、サンパウロ市〃夏の風物詩〃として大々的に放送していた。
「ラジオ体操の人に聞いたら、朝六時頃から列ができていたそうですよ」と網野弥太郎評議員会長は誇らしげに語った。今年で第三十四回を数え、餅は「長寿のシンボル」としてすっかり有名になった。
来賓らが三臼に分かれて次々に餅をつくすぐ横には、その年の穢れを落とすと言われる「茅の輪(ちのわ)くぐり」が南米大神宮によって設けられ、日系人やブラジル人が百メートル以上も列を作った。
茅の輪を潜った後、祭壇に玉ぐしをそのまま奉呈する日本とは違って、ブラジル人らは白紙部分に細かい字で願い事を書き込んでおり、新しい習慣が定着しつつあることが伺えた。
当日は、ほぼ毎年参加するロメオ・トゥーマ連邦上議、三十四回中三十回参加している小林パウロ連邦下議をはじめ、マルタ市長代理のパウロ・テイシェイラ・セ地区役所長、在聖総領事館から西山巌領事ら多数の来賓が集まった。
リベルダーデ区のすぐ近く、三月二十五日街でシリア系二世として生まれた自称〃東洋系〃のトゥーマ連邦上議は、「この演台の目の前で、先ほどまで日系のご婦人たちが一生懸命に餅を丸めていたが、素晴らしい光景だった。コミュニティーの〃鏡〃だ。しかも、その机を片付けた後、チリ一つ落ちていない。まさにブラジル社会の模範である」と褒めちぎった。
援協の酒井清一副会長の音頭で乾杯が行われ、来賓全員が茅の輪を潜って旧年の穢れを落とした。その後、東洋会館に会場が移され、一足早い新年のお雑煮が振舞われた。