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セーラ市長、前市長を酷評=排水溝の現状見て=「政治家として悪例の典型」=サンパウロ市

1月5日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙四日】サンパウロ市セーラ政権が始動した三日、新市長は早くも不機嫌な初日を迎える破目となった。出勤途上の渋滞でサンパウロ市の交通地獄を存分に味わったセーラ氏長は、不快感をあらわに初登庁。午前中は事務処理や打ち合せで過した後、渋滞でこりたため午後はヘリコプターでアリカンドゥーバ地区に排水溝の視察に出かけた。選挙での水害対策の公約を実行するためのもので、サンパウロ市内で最も被害の大きい同地区から手掛けようというもの。
 同地区の排水溝を目の当たりにした市長は、あまりの惨状に唖然とすると同時に、憤りを爆発させた。排水溝は泥土やゴミの山で埋まり、さらに三分の一は二メートル以上の雑草が繁り、排水溝の役目を果たしていなかった。これを見てセーラ市長は、「市民が払っている税金の中から多額の予算を投じて排水溝を建設しておきながら、手入れもせずに放置するのは許せない」とした上で、「政治家として典型的な悪例だ」と決め付けた。
 市長によると、実のない政治家は造ったことを大々的に宣伝はするが、その後の活用については素知らぬ顔を決め込むという。新市長は選挙期間中、車の運転に例えて「前方を見つめるのみで、バックミラーを見て後方を振り返ることはしない」として前政権を非難しないことを繰り返してきたが、それとは裏腹にこの日はマルタ前市長の悪口が次々と飛び出した。
 視察に同行した排水溝管理業者が市の支払い遅延で業務を停止しているとの説明に、新市長は即刻支払いを命じ業務再開を指示した。