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コラム 樹海

  三年ほど前であったか、老人クラブの会員のみなさんに対し、歳末助け合い運動で、多くないお小遣いの中からの寄付など控えて、自身が楽しめることに活かしたらどうでしょう、とこの欄で書いたことがあった。率直に「提案」をしたつもりだったが、意外にも支持は得られなかった。むしろ不評だったかもしれない▼現役を引退はしているが、社会活動に参加している、やれることはやらせてもらう、といった自立高齢者の意識、行動に反した考え方だ、とされてしまったのである▼助け合い運動は続けられており、〇四年度は、さらに新潟県中越地震被災者への募金運動まで加わり、どちらも多大の成果をあげた。老人クラブ連合会の取り扱い分だけでも、年末助け合いの方が二十団体、義援金の方は四十五団体が参加、「パワー(ちから)ここにあり」を驚くほどの数字で示した▼老ク連加盟のクラブは全伯に散在している。例えば、南マットグロッソ州カンポ・グランデのクラブなどは、遠隔地のせいで、本部行事に参加するのは、旅費がかさむのでたいへんだという。会員たちも余裕があるほどの年金生活者はきわめて少ない、といっていた。そのクラブが、昨年末に展開された運動に応じたのである▼パワーの源泉はどこにあるのだろう。まずは、「移住百年」の極く初期から培われてきた互助精神か。老人クラブ構成員は、戦前の準二世、戦後の一世、二世へと受け継がれて行く。今年も衰えぬ元気ぶりを見せてもらえそうだ。 (神)

05/1/5