1月8日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】セーラサンパウロ市長とマルタ前市長は六日、前市長の対政府債務を行政府保証により分割決済することで国庫局の了承を取り付けた。サンパウロ市会計を引き継いだ十二月二十八日、パロッシ財務相と現、前市長の三人は一千四百五十億レアルの返済滞納分の処理について話し合った。政府は、特例として財政責任法の適用によるサンパウロ市資産の差し押さえとセーラ市長の債務責任を解除。この内諾には、マルタ前市長に対する責任追及を避けるための裏取引があったようだ。
対政府債務の返済滞納は前市長の無責任な資産管理のせいと批判したことで、セーラ市長と政府との間に生じたあつれきが懸念されていた。市長就任の初日、サンパウロ市会計にはわずか一万六千レアルしか残されていなかった。しかし、前市長の提訴や、資金の流れとその背後にある労働者党(PT)と前市長との関係を徹底解明する考えのないことを、市長はレベロ国対委員長に告げた。
新市長就任直後、サンパウロ市の会計には十二月の対政府債務の決済資金がなく、金庫は空っぽだった。さらに請負業者らへの支払いが千六百万レアルもあるのに全く準備されていなかった。市長は前市長の乱脈会計が国庫局から看過、または特別扱いされていたと認識し、同様の処遇を受けるため事を荒立てないことにした。
国庫局は財務相の了解のもとに、先にブラジル銀行を通じて債務決済の保証として差し押さえた一億四千五百万レアルをサンパウロ市へ返還した。国庫局のレヴィ長官はジルセウ官房長官へ、サンパウロ市会計に違法行為は一切なく、サンパウロ市を特別扱いしていないと報告した。
市長が先に上京したとき、前市長が債務滞納のまま退任してもサンパウロ市資産を差し押さえることはないと、ルーラ大統領の言質を取っていた。そのころサンパウロ市は十一月の債務滞納分を十二月に繰り越し決済し、十二月分も同様の措置が取られることを大統領府は容認していた。
ブラジル社会民主党(PSDB)党首を兼任するセーラ市長は党幹部会議を開き、政府の要望を受け入れることで、サンパウロ市は財務相の特別処置を受ける方針を伝えた。またサンパウロ市は野党の押さえた市ではなく、超党的に善処すると大統領は約束した。財務相は、PSDB首脳部の良識を信じるとサンパウロ市長に述べた。
根回しを行ったセーラ市長は、政府首脳部の約束を信じ、司法対決は回避することにした。しかし、国庫局のサンパウロ市資産差し押さえ措置は裏切り行為とみなした。差し押さえられた資産は一月三日に解除されたので休戦の意向へ変わった。しかし、マスコミに流した情報は止められなかった。
同市長は三日、前市長の乱脈財政をこき下ろした。しかし、直後に口をつぐんだ。補正予算の交付金解除でバカを見ないためとされる。それでも前市長の尻拭いには譲歩しないと同市長は強硬姿勢を崩していなかった。
国庫局がサンパウロ市債務について特別措置を取ったことが問題となりそうだ。マルタ前市長に与えた特別措置をセーラ市長に対しても同様に取り計らえという要求がある。これは、検察庁の目に止まった。十一月には、債務滞納に対する資産差し押さえはなかった。なぜ十二月に執行されたのか。