1月11日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙九日】二〇〇四年にブラジル経済は成長を取り戻したが、国民所得の三五%から四〇%を占める闇経済という構造的問題は解決されたわけではない。
雇用、税収、年金掛け金納付率は昨年に伸び、非正規雇用の拡大は労働市場で勢いを和らげたとみられた。しかし、企業家や専門家らによると、闇経済を支える密輸、海賊版商品、脱税は、世界的傾向として増加を続けているという。
世界銀行の調査で、ブラジルは闇経済世界ランキングで、百三十三カ国中、第九位に位置付けた。国民所得に占める闇経済の割合は世界平均で三二・五%だが、ブラジルは三九・八%となっている。
年間約百三十億ドルの売上げがある繊維業界では、そのうちの五百二十億を闇経済が占める。玩具産業は偽造品が、売上げの一〇%、医薬品は約三〇%、海賊版CDは五〇%、コンピュータソフトは六一%を占め、サングラスの約五八%は密輸されているという。
闇経済は、物によっては四〇%に上る高い税金、汚職、官僚主義、裁判ののろさ、非効率な監督体制を反映していると言われる。ブラジルでは、新規事業の開始に百五十二日かかり、整理清算には十年かかる(世界平均は三・二年)。税金の国内総生産に占める割合は〇一年に三四・四%。
連邦政府はメルコスル加盟国や海賊版の標的となる製品の製造業者らと協力して、密輸取り締まりの強化や低所得の消費者により安い正規商品を供給することで、闇経済に対する包囲を縮めてゆく考えだ。民間企業も業界団体を結成して海賊版商品への対策を進めている。