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日本向けマンゴー輸出開始=バイーア州で収穫「30年越しの夢実現」

1月11日(火)

 日本向けに輸出されるマンゴーの収穫が十日始まった。サンフランシスコ河流域バイーア州ジュアゼイロ市内二カ所の栽培農園で、初出荷は百トンに上る予定。昨年、小泉首相が来伯した際に結ばれた協約によって実現したもので、十日付エスタード・デ・サンパウロ紙は「三十年来の夢が叶った」との見出しで報じた。農務省関係者は日本の厳しい検疫をクリアしたことで、アジア諸国への輸出も期待できるとし、日本向けには果物を中心とした生鮮農産物をさらに売り込んでいきたい考えだ。
 同紙によると、日本の農水省派遣の検査官が農園での樹木の検査を終了し品質保証書も発行済み。収穫されたマンゴーはパッキングハウス(最終行程の格納庫)で熱湯処理による地中海ミバエなどの駆除を受け、高湿度の冷凍庫に保管される。これによりおよそ三十日間は鮮度が保たれるという。
 また、日本側が指定したコルゲート・ペーパー(波状型厚紙)で包装され、パッキング・ハウスに納入された時点でいっさい人の手で触れることは禁止されている。商品はコンテナーでサンパウロ州カンピーナス市のヴィラコッポス空港に運ばれ日本向けに空輸されるという。
 日本での価格は物により一個三十ドルの高値となり、関係者はブラジルの高級ブティックで売られている洋服の値段だとして、あらためて驚いている。日本での需要は五千二百トンと見積もられ、欧米に次ぐ外国市場としてサンフランシスコ河流域の農園は活況を呈している。
 さらに、包装紙を製造するクラビン製紙も日本側の要求により年間五十万箱の注文が入っているため、対日輸出が緒に就いたことを歓迎しているという。