日本の祝日も次から次ぎと変わってしまい「成人の日」は1月の第二月曜日になってからもう六年にもなる。当方は一月十五日とばから覚えているのでいささか戸惑うけれども、今年もまた多くの若人らが成人として社会の仲間入りをしたのは喜ばしい。が、ここ数年の傾向なのか「荒れる成人式」が数箇所で起きたのは真に遺憾と申すしかない▼沖縄県の那覇市や北の国・青森市では新成人らが式場の壇上に上がり踊りを始めたりの不祥事があったし、那覇では泡盛の酒樽をあけての大騒ぎとはいささか恥ずかしい。それでも昨年のような酷い式典はほとんど姿を消したそうだし、若い人々もきちんとした常識を備えたのであれば、こんなに嬉しいことはない。成人式は、若い人たちの門出をお祝いする行事であり、暴力騒ぎなどとはまったく無縁なことをしっかりと肝に銘じたい▼近ごろの若い人たちには、気になることがある。年齢的には二十歳になり選挙権も与えられ飲酒も許される立派な成人なのに、働く意識の欠乏や社会人として果たすべき義務の観念が薄いように感じられる。いつまでも親に寄生して生きる独身者を「パラサイト・シングル」と呼ぶらしいが、こんな若者が増えても困るだけだ。進学するでもなし働くでもない若者は「ニート(NEET)」だそうだが、これも厚生労働省の調査によると五十二万人もいる▼アルバイトを転々とする「フリーター」は何と二百十七万人と聞けば驚くしかない。こんな若い人ばかりが増えれば一体―日本は何処へゆくのかと考えざるをえない。 (遯)
05/1/11