1月12日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】ルーラ大統領は外国の投資家が投資に先立って考える三つの法則を皆伝した。インフラ・ストラクチャー、優秀な人材、国内の市場規模の三つだ。シティ・バンクのアウシデス・アマラル前頭取は、ほとんど正解だが第四の法則を加えたら百点だと述べた。
第四の法則は最も重要。それは、安定し、信用と納得ができる外資の受け入れ基準。残念だがブラジルには、それが欠けていると苦言を呈した。ブラジルに投資しても、儲かるか損するか判然としないと、外国の投資家らは心配していると語った。
鉱動省が電力エネルギーの入札を行ったところ、入札額は千二百億レアルになると期待されたが、七百二十億レアルに留まった。ブラジル政府は入札に先立ち、投資家が安心できるような投資基準の設定に向けた努力をしていないと、エコノミスト誌は論評した。
前頭取は、投資の基準監督局が行うインフラ整備(PPPs)への入札でも、杜撰な投資基準を提示し、同じ愚を繰り返さないよう期待すると述べた。電力が近年、必要量を供給できるかどうかだけが心配事ではない。鉄道や国道、港湾のどれもが、急増する貿易量を消化できるような状態ではない。
大統領は、もっと現実を直視して欲しい。ただ議会がPPPsを承認すれば、問題が解決するわけではない。外国からの投資は二〇〇〇年に三百億ドルあったのが、現在は百五十億ドルへ後退。近く五十億ドルと先細るとみられている。
国家安泰のためには、外国からの投資、国内の投資とも大規模投資が必要だ。中国やシンガポール、ポーランド、インド、チリーは、国内総生産(GDP)の二五%を再投資する。ブラジルは二〇%以下。
優秀な人材には事欠かない。欧米系の多国籍企業の最高責任者は、どこもブラジル人が辣腕を振るっている。国内市場は一億七千万の消費人口を抱え、馬鹿にできない。年間所得千レアル以下のクラスは、すぐには良くならないけれども。
しかし、政府が少し減税を行えば、消費市場は活気を取り戻す。トルコに次ぐ世界第二の高金利国では、運転資金を借金で賄えない。こんな環境で投資は、クレジットに連動しない。中銀は為替管理を、輸出振興のため一ドル三レアル前後に保って欲しい。