エコノミーア

1月12日(水)

 鉄鋼は二〇〇四年に六四%値上がりした。しかし、スクラップは二〇%の値下がり。スクラップは製鉄所や鋳物工場に買い取られ、国際価格に準じて国内向けに販売されていた。不安定な鉄鋼価格を反映して、いま外国でスクラップが見直されている。自動車の廃車スクラップが、FOBトン当たり三百三十ドルで取引されている。これは、バタヤ価格の倍だ。
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 カステロ・ブランコ国道五十一キロ地点を挟んでサンロッケ、アルミニオ、マイリンキ、アラサリグアマ郡地域に、工業団地が造成されている。投資額七億五千万レアルのジェルダウ製鉄所が中心となり、関連工場が軒を並べる。同製鉄所の計画ではスクラップの再生による年間九十万トンの鋼鉄棒用タルゴ生産から始め、百三十万トンに拡大する予定。
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 アドリアーノ・アラウージョさんは五八年、ポルトガルのアレン・マールから渡伯した。着伯後は清掃夫から守衛、ありとあらゆる職場を渡り歩いた。サンロッケ市に辿り着き、七九年に裏庭でコンドーム作りを始めた。現在はブラジル一のコンドーム王になり、日産二億四千万個を製造している。アラウージョさんの成功は輸入品に劣らないコンドームを作ったことにある。
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 ブラジルは新しい輸出市場として中国に期待したが、結果は逆で中国に振り回されたようだ。ブラジルは経済成長率五%、貿易黒字三百三十七億ドルで過去最高と喜んでいるが、伯中貿易ではブラジルの入超。ルーラ大統領を中心とするブラジルの経済使節団が訪中したときは、中国市場がバラ色に見えたらしい。多くの助言者は中国に注意するよう諭した。中国から見ると、ブラジルは裸の王様らしい。