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開発相、政府を厳しく批判=経済政策は失政=為替と高金利政策見直せ=インフレの元凶は公共料金

1月14日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】フルラン産業開発相は十二日、突如矛先を政府の経済政策へ向け、インフレ抑制政策と為替政策を批判した。進行中のインフレは公共料金の値上げが原因であり、その抑制のために高金利政策を採るのは筋違いであると非難した。産業開発相であり一事業家として、ルーラ政権の経済政策は国家を破綻に導く失政であると糾弾、政府の中枢は国際情勢に無知であると宣告した

 同産業開発相の声明発表は、四つの要旨からなる。一、レアル通貨を実勢レートに設定する。二、インフラ契約に基づく公共料金の調整がインフレの元凶であるのに、高金利政策で抑制するのは不当である。三、メルコスル(南米南部共同市場)は条約改正を検討する。アルゼンチンのゴリ押しは限界を超えている。四、通商政策は先進国市場への参入を優先すべきで、貧乏国を束ねても徒労である。
 同相は、持論を次のように説明した。中央銀行の為替政策はレアル通貨を実勢レートに反映させていない。市場にダブつくドルを処分するため、中銀はドル購入を続行すべきだ。
 ドル購入のための国債発行は産業開発省の管轄ではないが、輸出振興については中銀にも責任がある。財務省の健全財政を優先する政策と産業開発省の産業勃興を優先する政策では多少、行き違いがある。産業界の代表者として「角を矯めて牛を殺す」政策を糾弾する。
 財務省の見解は〇四年九月時点の状況に立脚している。産業開発省は過去三カ月間の状況で判断するので、双方の見解にズレがある。輸出が止まり、経済が窒息しないためには、一ドル三レアル、上下幅五%に維持する必要がある。
 イタリアの格言に「樽にワインが充満していれば、女房が酔っ払うことはない」という。為替相場が妥当であれば、輸出業者はドルのばらまきをしないし、ドル安に振り回されない。
 高金利が外資を呼び込みレアル高を手伝うのは、事実だが遠因に過ぎない。重大な過失は高金利でインフレを抑制していることだ。現在のインフレは需給関係を反映したものではなく、政府の経済指標を根拠とした政策が生むもので、現実性と妥当性を欠く。
 メルコスルは発足以来八年間前進がなく、不具合は増すばかり。ブラジルは、同盟国の技量不足を肩代わりする必要はない。同域内への投資や近代化は無駄骨になっている。アルゼンチンにとってブラジルは大切な顧客だが、ブラジルにとってアルゼンチンはどうでもよい顧客である。
 現政府の致命的欠陥は、先進国市場を理解していないこと。経済が低迷するのはブラジル側に落ち度がある。米国の輸入は年間一兆三千億ドルにも達するのに、ブラジルはわずか二百億ドルの対米輸出に過ぎない。対EU輸出も同様。政府は重箱の隅を突っついて、何か勘違いしている。
 途上国連合やアンデス共同体、その他の小さな共同体に食指を動かしてもタカが知れている。ご執心の世界貿易機関(WTO)ドーハ・ラウンド交渉も、うまく行って収穫は十年後になる。