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「市長選敗北は私の采配ミス」=マルタ前サンパウロ市長=初めて心境を語る

1月14日(金)

 【エポカ誌十二月二十七日号】「市長選挙での敗北は、全て私の采配ミスが原因」―。マルタ前市長が初めて心の内を明らかにした。エポカ誌記者のインタビューに答えて、選挙を振り返るとともに、市長時代の過去や今後の身の振り方を語った。
 市長選挙については冒頭の発言の後、対抗馬だったセーラ氏について、大統領選挙で現大統領と互角に戦った、ブラジル社会民主党(PSDB)内きっての大物政治家が出馬したのが私の不運だった。彼は政治および選挙のプロだが、逆にこちらは素人だとの見方を示した。
 また、野党の連携が不調に終わったほか、自党(労働者党=PT)内部でも表面は何食わぬ顔をしながら陰で反逆行為を働いたグループがいたことも敗因の一つだったという。何よりも最大の敗因は、マスコミの「いじめ」だったと指摘。マスコミは、あらぬ事や発言を曲解して報道し、個人を中傷する記事を流した。選挙陣営がとりまとめた所によると、八月二十六日から十月一日までの報道のうち七六%が悪口記事だった。これに対しセーラ氏の悪口はわずか一六%だったとのこと。
 また、選挙での敗北をルーラ大統領に責任転嫁した件については、これまたマスコミのねつ造記事だったとしている。報道の直後に、党大会での演説原稿を大統領に送付したところ、理解してくれたという。その後、電話で「事実を公開する用意がある」と話したところ、大統領は「いつでも協力する」と言ってくれたと真相を明らかにした。 四年間の市政については正しかったと自負し、満足しているとの態度を示した。統一教育センター(CEU)の建設などで社会福祉や教育面も充実したほか、ビリェテ・ウニコ(乗り継ぎ可能乗車券)導入も好評だった。このほか保健所増設は貧困層に感謝されたと述懐する。
 今後の身の振り方については、PT党員として二〇〇六年のルーラ大統領再選を最優先させるとの考えを明らかにした。噂されている同年のサンパウロ州知事選の出馬については、大統領選を有利に進める道であれば出馬するとして、あくまでもルーラ大統領の意向を重んじるとの立場を示した。