物乞いに金品与えるな=社会福祉局が運動展開へ=貧困者収容施設への寄付を=サンパウロ市
1月15日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】「物乞いやストリート・チルドレンに金品を与えることは、貧困撲滅のマイナス効果となる」。サンパウロ市社会福祉局のペザロ新局長はこうコメントし、恵みの手を差し伸べないようキャンペーンを展開していく方針を明らかにした。
同局長は、市民が貧困者に対して哀れみをもって金品を与える優しい気持は尊敬に価するとしながらも、これが気づかぬうちに増々貧困層を助長していることになっていると指摘する。またその日暮しが保証されることで、ホームレスなどが生活環境を変えようとする意欲を消失させているとして、物乞いへの施しを根本的にたち切ることが社会の発展につながると強調した。
このキャンペーンはセーラ市長の同意を得ているとしながらも、各方面で様々な意見を聞きながら、社会運動に発展させたいとの意向を示した。いっぽうで、同局長は、市当局ではこれら貧困者用に十万人を収容できる施設を用意して、一人当り五十レアルから百レアルの予算を確保していると述べ、貧困者に恵む気持のある人はこれらの施設に寄付するよう呼びかけるとの態度を示した。寄付金については所得税から免除される恩典がある。個人の場合は一%、法人は六%までとなっている。
ストリート・チルドレンへの援助は一九九六年、時のマリオ・コーバスサンパウロ州知事が行ったことがあるが、立ち消えになった経緯がある。当時の政府は子供らに与えるための取り替え券を発売し、現金の代わりにこの券を恵む運動を始めた。子供らはこの券をもらった後、州政府のポストで、服や食料、玩具類と交換する仕組みとなっていた。しかし不評に終わった。
局長の方針に対し、すでに賛否両論がわき上がっている。教会側では、これで問題が解決すると思うのは性急で、政府の予算こそ「一粒の恵みにしか価しない」ので、この「恵み」を改善するのが急務だと指摘している。さらにレンダ・ミニマ(貧困援助金)が十一月以来、支給が滞っている。これは低所得層に月々百二十レアルを支給するものだが、市側は財政悪化でストップしている。
いっぽう支持者のうち、元ホームレスは、毎日マクドナルドのハンバーガーや高級レストランの食べ物の余り物にありつけるし、教会では毛布やスープを支給してくれるし、おまけに路上で麻薬を吸引していると、この上もない自由な生活に思えてくると述懐している。