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2020年ブラジルは大国入り=CIA報告=中国とインドに続き=潜在能力に富むとベタ誉め

1月18日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十七日】二十一世紀は中国とインドおよびそれに次ぐブラジルを始めとする第二グループの台頭期となる―。アメリカ中央情報局(CIA)がこの程とりまとめた報告書の中で明らかにした。
 CIAは「二〇二〇年における世界の国家勢力」と題し、世界各地の専門家の調査結果を米政府に報告した。それによると、十九世紀と二十世紀はそれぞれドイツとアメリカの時代だったように、二十一世紀は中国とインドの時代が到来すると予測している。その後にブラジル、ロシア、インドネシア、南アフリカの各国が追随し、世界経済の中心になると指摘している。これらの、いわゆる第二グループは、中国とインドの成長の相乗効果で目ざましく台頭し、現在先進国といわれている国の存在を脅すだろうとの大胆な見方を示している。
 とくにブラジルについては、高い経済成長を実現し、十五年以内にヨーロッパ諸国を追い越すと指摘。専門家の分析結果は、ブラジルは民主主義の浸透、臨機応変な経済政策、国民の労働意欲などが著しいとみなし、潜在能力に富んでいるとベタ誉めした形だ。さらに貧困撲滅をはじめ、貧富の格差をなくし所得の均等化をめざす政策が成長にインパクトを与えるとしている。
 一方、貿易については世界市場の仲間入りを果し、外資に門戸を解放していることは世界戦略の一環として頼もしいと見ている。ルーラ政権はアンチ・アメリカの姿勢をとっているが、ブラジルはアメリカに限らずヨーロッパ、第三世界の市場と経済的には友好関係にあるため、反米感情は取るに至らぬ心配と報告をしている。
 中国とインドについては、世界最大の人口と軍事力を備えており、「需要大国」となることで発展すると指摘している。とくに中国は二〇二〇年にはアメリカに次ぐGDP(国内総生産)になると予測している。ただ両国の課題は世界経済のルールを遵守できるか否かで、ブラジルは両国に対する石油供給で潤うことも付け加えている。