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コラム 樹海

  阪神・淡路大震災が起きてから十年目の一月十七日を迎えた。あの地震は午前五時四十六分に発生し多くの人々の命を奪い大都市・神戸の町に壊滅的な損害を与えた。西宮市や淡路島の被害も大きい。あの地震が起こったときは―こんなに大きな被害が出るとは思わなかったし刻々と入る外電と睨めっこしながら記事を書いた記憶が残る▼コンクリートで固めた高速道路が陥没し新幹線の施設も崩れ最新式を謳った高級アパートすらものが崩壊したりと想像を超える打撃だった。神戸市の長田では大きな火災が起こり尊い市民の人命を次々に奪う。死者は6433人を数える。「十周年追悼集会」には天皇、皇后両陛下もご出席になり「哀悼のお言葉」を述べているが、犠牲となった皆さま方には本当に「不幸」としか申し上げられない▼あの大震災が発生した頃、神戸の復興は難しいの声もあったが、この十年間で見事なばかりに蘇がえり新しい神戸が育ちつつある。政府も支援に乗り出し総額十六兆三千億円を投じ街は着実に発展している。被災地の人口も震災前を上回っており、神戸の港も活気を呈しているのは喜ばしい。あの震災のときは自衛隊の出動や政府の対策が一歩も二歩も遅れて批判の的にもなった▼そんな体験から防災への教訓を幅広く学んだ。「1・17のつどい」には五〇〇〇人が集まり、犠牲者と同じ数の蝋燭で作られた「1・17」の文字が浮かびあがり、会場は鎮魂の祈りに包まれた。そして―きょう十八日からは神戸で「国連防災世界会議」も開かれるし、その意義は大きい。 (遯)

05/1/18