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3人に1人が携帯電話保有=04年に41・5%増=所得増で低所得層にも普及=次はインターネット電話の出番

1月19日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】電信庁(ANATEL)は十七日、ブラジルで二〇〇四年に携帯電話の保有台数が四一・五%増加し、六千五百六十万台になったと発表した。経済の活性化により個人の可処分所得が増加するとともに、低所得層にも携帯電話が普及したと見られている。携帯電話のすぐ後に、インターネット電話が電話革命の出番を待っている。

 携帯電話の普及は、過熱ともいえる勢いで伸びた。ブラジル人百人につき三十六人が携帯電話を持ち、携帯電話保有者の百人に一人が二台以上を保有している。低所得層にも携帯電話が普及したことで、所得の増加が全般に行き届いたと考えられる。
 ブラジリアの場合、住民数よりも携帯電話数が多い。絶対数が多いのは、サンパウロ市で千六百七十三万四千個で、リオ市の二倍。景気回復で庶民に経済的余裕が生じ、社会活動や経済活動の半径が広がったようだ。
 携帯電話市場に新たに加わった低所得層は、八〇・四七%がプリペード方式を利用し、月間使用料は平均五レアル以下となっている。オペレーション当たりの付加価値は低いので電話会社に利益をもたらす客層ではないが、客層の厚さで重要な顧客となっている。将来、各所有者の所得向上と活用の工夫に期待している。
 電話会社は、すでに多大の先行投資を終えており、ただ利用数の増加を待っている。また後払い方式の利用者の減少とプリペート方式の激増がシステム・ショートにもつながりそうだ。サンパウロ市の回線数は処理能力に余裕はあるが、心配なのはブラジリア。
 携帯電話に続いて、新しい革命が起りつつある。インターネット電話だ。企業は国内と国外で社内と取引先のコンピューターを接続し、音声をデータへ変換するシステム。このシステムを設置すると、電話料金が驚くほど節約できる。
 このシステムは七〇年、プルヴァー少年がアマチュア・ラジオを応用して考案した。同少年は成長し九五年にウォール・ストリートで同システムを活用。その後、イスラエルのヴォカル・テック社へソフトを無料で提供した。
 米国内ではインターネット電話の普及で、企業は世界津々浦々に回線接続が無制限にでき、使用料はわずか月間二十五ドル。AT&Tの統計では、米系多国籍企業の四三%がインターネット電話に切り換え、国際電話に利用している。
 マイクロソフトはインターネット国際電話網を設置し、ルーラ大統領を始めとする世界VIP間のロビー活動を始めた。これは大統領が世界の誰とでも、無料で電話会談ができるというもの。ブラジルにとって何も得るものはないが、マイクロソフトには新型ビジネスといえる。ロビー活動の南米拠点にブラジルが選ばれたらしい。