1月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】ルーラ大統領は緊迫した関係が続いているベネズエラとコロンビアの両国の国交正常化に向けて仲介の労を取ることを明らかにした。
大統領のアンドレ報道官が十七日夜、プラナウト宮での共同記者会見で発表したもので、いずれかの国あるいは両国からの正式要請があればとの条件付きだとしている。大統領としては、あくまでも両国間の問題であり、要請なくして問題に立ち入ることは内政干渉になるとの見方を示していると説明した。
大統領は十九日、コロンビアとの国境付近のアマゾナス州タバチンガ市でコロンビアのウリベ大統領と両国の経済問題について意見交換を目的に会見を行う。さらに二月十四日にベネズエラを公式訪問する予定になっていることから、仲介の労を買って出ると見られている。
両国の対立はコロンビアが十二月にコロンビア革命軍(FARC)のメンバーを逮捕したのが発端となっている。このメンバーはFARCの指導者の一人で、ベネズエラ側はコロンビア当局がベネズエラ国内でメンバーを逮捕したとして領土侵犯だと非難、コロンビアに対し公式謝罪を要求した。
しかしコロンビア側は、逮捕は国境沿いのコロンビア領土内で行ったとし、ベネズエラの要求を一蹴。これを不満としてベネズエラは外交官の引き上げを命じるとともに、両国間の通商取引を停止する措置を講じた。コロンビア側は第三者の立ち会いのもとで、話し合いの場につく用意はあると公表しているものの、ベネズエラのチャベス大統領は頑なな態度を崩していない。