政府、一石二鳥を狙う=バイオディーゼル用原料=小農に栽培奨励
1月19日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】バイオディーゼルが、農地改革の原動力になりそうだ。家族単位で就労する小農の自立は、ルーラ大統領の悲願であった。ロセット農地改革相は、三万五千世帯の小農のためにバイオディーゼル用油脂植物の栽培計画を立案した。
北東部と北部地方、ミナス州北部地方などで二〇〇五年と〇六年、バイオディーゼル用油脂植物の栽培奨励計画を立てた。農地改革省の計画によれば、〇五年に三万五千世帯が入植の予定。〇六年には二十五万世帯。農地改革省は連日、鉱動省と国家バイオディーゼル計画の細部を打ち合わせている。
農地改革省の役目は、ヒマやデンデ、その他の油脂植物の栽培管理と技術指導、集荷、契約生産量の確保、社会福祉サービスの充実。政府にとっては、排気ガスの削減でクリーン・エネルギー生産と貧農対策を同時に解決する、一石二鳥の計画といえる。とかく問題を起こしてきた農地占拠運動(MST)にも、具体的な方向付けが出来そうだ。
ルーラ大統領の鳴り物入りで議会へバイオディーゼル基準法案が上程され、承認待ちとなっている。同法案は残る任期の総まとめで、バイオ計画で採算分岐点のベースとなる重要法案でもある。可決されれば、農地改革省のバイオディーゼル計画は晴れて本格始動となる。
ブラジルは現在、ディーゼルオイルの年間消費量四百億リットルの一七%に相当する六十四億リットルを輸入している。政府は初年度、ディーゼルオイルの二%にバイオディーゼルを混入する予定で、八億リットルが必要になる。これで国はディーゼルオイルの輸入を減らし、北東部と北部地方の貧しい農民に経済支援ができるとみている。
油脂原料の搾油企業は、原料購入の他、生産技術の指導や油脂植物の情報提供、農業生産者の社会参加にあらゆる便宜を図ると約束した。政府も北東部と北部地方の農業生産者に税制恩典を検討中だ。農地改革省の計画では、生活水準向上のために生産者組合の設立も検討されている。
同計画には、入植する各世帯に栽培用地二十ヘクタールの分譲がある。一世帯毎の住宅や付帯設備など、入植費用として政府は三万レアルを用意している。入植地別に電化計画と保健所、学校を建設する計画もある。生産に先立ち、前払い金の形で各世帯に固定収入を保証する計画もある。