1月20日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙、フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】米国のライス大統領補佐官は十八日、上院外交委員会で行われた討論の中で米国とブラジルの関係の重要性を強調し、ブラジルを南米地域における経済、社会問題の解決に民主的に取り組むパートナーとみなしていると発言した。同報道官が発言の中でブラジルについて触れたのは今回が初めて。
同補佐官は、ラテンアメリカ問題を専門とするドッジ上院議員(民主党)の質問に答える形で、両国間の対話が「重要な鍵」をにぎり、南米地域の安定に欠かせないと評価。また、ブッシュ大統領とルーラ大統領が二回にわたって会談したことも引き合いに出した。
「南米地域は極度の階層社会で、米国はこうした階層間の格差を乗り越えようと戦う人々と協力し合う必要がある。古い考え方を捨て、こうした人々のことを気にかけることがいかに大切であるかは、わが国の歴史が証明している。それには協力者が必要で、ブラジルは協力者として最もふさわしい」と補佐官は述べ、さらに、ハイチで平和活動を行っているブラジルの積極的役割にも触れ、米州自由貿易圏(FTAA)交渉の進展を米国政府が望んでいることを強調した。
フォーリャ紙が取材したブラジルの外交官は、ライス補佐官の発言の中にブラジルが登場したのは、アモリン外相が国務副長官に指名されたゼーリック前通商代表と電話で話した結果とみる。アモリン外相は、ライス補佐官とは関係を持たないが、前通商代表とは現在も懇意にしているという。