1月21日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】中国が世界各国と自由貿易協定締結に向けて積極外交を展開していることを受けて、国内関係者の間では、ブラジルがこれに乗り遅れて巨大市場を失うことを危惧する声が強まっている。
とくに畜産や農産物のライバルとされるオーストラリアやタイが具体的商談を煮つめていると報道されており、ブラジルの対応策が迫られている。昨年の中国国家主席の初来伯で友好条約は締結されたものの、貿易協定は投資と衛生で覚え書が取り交されたのみで具体的案件は進展していない。
中国の日刊紙が報じたところによると、中国は二十三カ国と自由貿易協定について交渉中で、二〇一〇年までには協定が成立する見通しだとしている。対象はASEAN同盟諸国の十カ国に加え、GCC諸国(バーレン、クェート、カタール、オマン、サウジアラビア、アラブ連合)と南ア海岸の五カ国(ボスア二ア、レソト、ナンビア、南ア連邦、スアジランド)、さらにチリとニュージランド、パキスタン、オーストラリアと交渉中。
ブラジル国内関係者によると、中国が提唱する二カ国間協定は、中国における貿易の障壁を取り除いて自由化するとともに、特別に低い関税の恩典を供与するため、WTO(世界貿易機構)の規約よりもメリットが多いとのこと。中国はこれにより低コストによる長期的諸原料の供給と、高度のサービスを受けることになる。
中国は十二月末の時点で財政黒字が百十一億ドルと、七カ月間連続の黒字となり、驚異的な経済成長を示している。