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志願者が後を絶たない軍警=うまみの多い警備アルバイト

1月21日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】安い月給、最悪の労働条件、常に生命の危険にさらされる軍警だが、根強い人気があり志願者が後を絶たない。
 リオデジャネイロ州でこの程行われた採用試験には二千人の募集に対し、四万人が応募した。同州当局によると、軍警の初任給は二百二十六レアルで、諸手当がついて税込みで七百レアル、手取りは四百レアルという。それでもなぜ志願が多いかというと、裏にアルバイトの副収入が控えているからだ。
 アルバイトは個人商店などの警備で、ナイトクラブ、モーテル、宝石店、ガソリンスタンド、スーパーなどでは、現職の軍警が優先的に採用される。収入は一日平均百五十レアル。このほか有名人のボディガードは一日千レアルとなる。軍警は二十四時間勤務した後、四十八時間が非番となる。このためアルバイトで高収入を得るために警察手帳が不可欠となる。当局によると、アルバイトは基本的に禁止されているものの、同州の軍警三万四千人の八〇%はアルバイトに従事している。
 いっぽうサンパウロ州では、基本給が最低賃金の三倍の千三百四十レアルで、当局は妥当な収入でアルバイトに目の色を変える必要はないと言及している。しかし現実は裏腹で、やはり八〇%はアルバイトに専念。
 大学を警備している軍警の一人は、同僚がパトカーで必ず寄ってくれるし、自分が勤務中はパトロールで同僚のアルバイト先に立ち寄ることにしていると話し、これでアルバイト先や近辺の住民に軍警への信頼を与える結果となり、喜ばれているとのこと。