1月22日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】ドル安による輸出利益減少や輸入の急増にかかわらず、二〇〇四年のブラジルの経常収支は百十六億六千九百万ドルの黒字となった。これは一九四七年以降、最高の記録。なかでも昨年、爆発的な経済成長を遂げた工業界の輸出増加により、貿易収支が三百三十六億九千三百万ドルの黒字となったのが大きく貢献した。貿易以外でも、例えば移転収支は三十二億六千八百万ドルの黒字となった。
ブラジル人が外国で観光に費やした金額は二億五千万ドルと、景気回復による所得増で、例年よりも多かった。ただ観光シーズンにもかかわらず、十二月の収支は単月で一千百万ドルの黒字にとどまり、〇三年の七千二百万ドルより減少した。これを踏まえて観光省は、振興策を講じて百万人の観光客をブラジルへ招致することを目標に掲げた。昨年は史上初めてヨーロッパからの観光客がアメリカを含む南米圏を上回ったのが明るい材料となっている。
いっぽうで流出した外貨は七十三億ドルとなった。これらは輸入代金、外国人のサービス従事者への支払い、金利や企業の利益送金が主だが、昨年はドル安を利用して過去の債務を一掃した企業も目立った。
昨年九月からの基本金利引き上げにもかかわらず、金融界の期待に反して外資の流入はふるわず、昨年は六十億ドルの赤字を計上した。十二月のみで五億五千三百ドルの赤字だった。
中銀筋によると、今年の貿易黒字は二百五十億ドルと昨年より八十七億減少するとの見通しを示している。短期国債や公債は今年で満期を迎え、さらに機械などの賃貸料や運賃などの国際相場の上昇と合わせ、金利や利益送金で昨年より外貨の流出が三千億ドル増えると予想している。