1月22日(土)
【既報関連】サンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)は今年三月、任期満了に伴なう役員選挙を実施するため、二十日の定例役員会で選挙委員会を設置した。常任理事会が定款を無視して、山下忠男前事務局長を委員に推薦。これに対して一部理事が猛反発し、〃暴走〃とも言える行為に待ったをかけた。常任理事会側は結局、例外を設けることについて、理事たちを納得させることは出来ず、従来通り会長、副会長ら八人で同委員会を構成することになった。選挙で和井会長が現職を退く可能性があり、理事の役付けに向けた前哨戦ともとれそうだ。
山下前事務局長は勤続約三十五年の古参職員で、昨年十二月いっぱいで定年退職した。援協の生き字引的な存在で、具志堅事務局長が就任間も無いことから、前事務局長の経験を生かしたいというのが、常任理事会の説明だ。
酒井清一第一副会長(会長代行)は「会の決定権はないけど、相談役の形で加わっていただき、手続きなどがスムースにいくようにしたい」と伝えた。常任理事会では一人も反対意見を出さずに、全会一致で決議されたという。
これに対して、浜岡政晴理事がまず「定款には載っていないこと。退職した職員を委員会に入れることはおかしい。元事務局長の小畑博昭さんや竹村英郎さんも呼んで来ないといけないことになる。ほかにも理事がたくさんいるはず」と抗議。
別の理事は「具志堅事務局長はこれから、事務局長の仕事をこなしていかなければならない。三月の定期総会にはまだ、時間があるので勉強してもらい」と釘をさした。
この日は、和井会長が一身上の都合で欠席。酒井副会長が、まとめ役を務めた。例外を設けることについて、常任理事会の合意をうまく説明出来ずに、逆に突っ込まれる形になった。
和井会長の去就について、尾西貞夫第二副会長と菊地義治第五副会長がやり合う場面もみられた。
仮に和井会長が現職から離れた場合、会長、副会長といったポストに空席が一つ生まれることになる。副会長の序列をはじめ、常任理事などの人選を巡って亀裂が走るかもしれない。微妙なタイミングだっただけに、常任理事会の判断には批判が高まったようだ。
結局、山下前事務局長は委員会には加わらず、必要な時にアドヴァイスを求めることで話は落ち着いた。
中沢源一郎氏や竹中正氏に代表されるように、これまでの会長は強力なリーダーシップで組織をひっぱっていった。これからは侃侃諤諤な議論の末に、運営方法が決定される時代になるだろう。
波乱含みでスタートした今年初の理事会。関係者の一人は役員改選について、こう明かした。「理事の役付けは、今年、選挙制になるかもしれない」。