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インフレ6%、GDP4%=国連発表=05年ブラジル経済見通し=世界的に経済成長は減速

1月27日(木)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】国連はブラジルの今年のインフレ率は六%となり、GDP(国内総生産)成長率は四%になるとの見通しを明らかにした。二十五日に発表した世界経済の展望で触れたもので、インフレは政府目標の五・一%あるいは金融界の予測している五・七%を上回るとの見解を示した。またGDPについては、ルーラ大統領が公表している伸び率の四%と一致したものの、アルゼンチンの五%、中国の八・七五%には及ばないと指摘している。
 世界のGDP平均成長率は昨年の四%を下回る三・二五%になるとし、二〇〇三年の二・八%は上回るとみている。一部ではドル安の影響を懸念する声も聞かれるが、通貨は経済に関与しないと言及している。
 世界情勢が昨年より芳しくない状況の中、開発途上国のGDP成長率は五・五%と予想され、先進国の平均二・五%をはるかに上回る。しかしラテンアメリカ諸国の平均は四%と、後進国の中では最低に位置づけ、アフリカの四・七五%、東アジアの六・五%を下回る。
 ラテンアメリカは昨年五・四%と、過去六年間で最高を示した。これはアルゼンチンやベネズエラの成長もさることながら、ブラジルの目を見張る景気回復が最大の原因だと国連は分析している。この地域は輸出の伸長で成長を遂げてきており、今後も発展していくが、今年は成長が減速するとみている。
 インフレは昨年の七・四%から今年は六%に抑制されるとの予想だが、これは原油の国際価格の動向に左右される。産油国の生産調整と中国の輸入増加を踏まえると、原油価格はすぐに下がる要因がないと指摘している。
 いっぽうでアメリカの財政赤字は今年も続き、さらに中国のGDP成長率が昨年の九・二%という爆発的伸びから今年は冷え込んで八・七五%と予測されるなど、世界的に経済は停滞するとみている。