1月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ二十七日】サンパウロ州とパラナ州を結ぶ国道一一六号線レジス・ビテンクール道で二十五日午後十一時、橋の一部七十メートルが崩れ落ちる事故が発生した。この事故で通行中のトラックが湖水に転落し運転手が死亡した。また、もう一台は間一髪で渡り切ったが橋げたにぶら下がった格好で停車、運転手ら三人は辛うじて脱出したものの重軽傷を負った。幸いにも命に別条はない。
事故発生地点はパラナ州都クリチーバ市から四十八キロ離れたカンピーナグランデ・ド・スル市の、カピバーラ・カショエイラ湖に架けられたサンパウロ方面行き全長二百七十五メートルの橋。警察は、橋を渡り切った地点の国道付近で大規模な地滑りが発生し、流出した土砂が国道を押し流したため、その勢いで橋が崩落したものとみている。時間帯が深夜で、さらに降りしきる雨で交通量が少なかったため、被害は最小限で済んだという。
通常この地点では一日平均三万台(片側車線一万五千台ずつ)が通過しており、白昼だと大惨事となっていた。事故が発生した折り、湖で夜釣りをしていた数人が国道にかけ登り、後続の車を止めたことでも惨事は防がれ、関係者から賞賛されている。
この事故で、橋に架かっているクリチーバ方面行きの橋が、対向通行とされたため一帯は渋滞で混乱をきたした。一夜明けた二十六日も渋滞が続き、午後六時に至っても両車線とも二十キロの渋滞を記録、十時半でも十五キロの車の列が並んだ。このためサンパウロ=クリチーバ間の所要時間は通常五時間位だが、この日は倍の十時間となった。長距離バスは二百キロ以上のう回を余儀なくされたため、バスのダイヤは混乱した。
この橋は旧道時代の一九八二年に架けられたもので、対向車線の架設にともない改修され一九九九年に完工した。しかし、この橋を常日頃から通過している長距離トラックの運転手らによると、落下した個所で最近、段差が大きくなりトラックの車軸がこすられ、大きな揺れが感じられたと証言している。当局はこうした証言を真っ向から否定し、橋は正常、かつ良好な状態だったと強調している。
運輸省では緊急対策費として二百万レアルの支出を決め、再建に乗り出す。当局によると完全修復には最低半年は要するという。