1月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】児童青少年に対する性的虐待は、二十七州都を含む、全国九百三十七都市に及んでいることが、二十六日に発表された初めての全国調査で判明した。性的虐待としては売春、人身売買、ポルノ、セックスツアーなどがあり、問題の背後には貧困、社会的不平等、犯罪組織の暗躍が横たわっている。
地方別では北東部(二百九十八都市)、南東部(二百四十一)、南部(百六十二)、中西部(百二十七)、北部(百九)の順に多く、州別ではサンパウロ州(九十三)、ミナス・ジェライス州(九十二)、ペルナンブッコ州(七十)と続いている。売春行為は、セックスツアーが主因となるため沿岸地方の都市に多い。
深刻な状況を受けて連邦政府は、法務、教育、保健、観光などの各省庁が連携して性的虐待撲滅運動を展開することを決定した。目標は二〇〇六年までに虐待のある都市を半減させることで、それ以降は撲滅するまで運動を続けるとしている。具体策として、家族支援金などの支給対象を虐待被害者の家庭に拡げることなどが検討されている。
しかし、虐待のある都市の多くで政府の対策がすでに実施されていることが問題の深刻さを物語る。これらの都市の九一%以上は家族支援金を支給し、六七%は児童労働撲滅プログラムの対象となっている。八百二十七都市は児童青少年を支援する相談員を有する。こうしたプログラムが正常に実施されているかどうかも政府は確認しなければならない。