1月28日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ二十日】テレビの子供番組のコマーシャルに登場する子供用おやつなどの宣伝は誇大宣伝で、おやつの中には健康を害するものも含まれている。また成分を公表しないが脂肪分や砂糖を大量に使用した高カロリー品が大部分で、これが児童、ひいては成長した時点での肥満の原因となっている。
こう警告を発したのがサンパウロ連邦大学の栄養学研究グループで、学校の休暇期間中の昨年七月に午前八時から十二時までに放送された子供向け用番組時間のうち、六百分を録画して調査した結果、十分間に一度は食品が登場した。これら製品の成分などを分析したところ、これらは全て脂肪分などが高く、常食にするだけの栄養価値がないと同グループは決めつけている。
なかには栄養食あるいはビタミン混入と大々的に唱えながら、実際には皆無で、偽りの宣伝も見られた。これらは、製品に加えて、景品やおまけ付きで子供らの気を引いている。子供に対するテレビの影響は大きく、三十秒の宣伝で効果が表われるとされており、同研究グループは、子供らは毎日違った製品を口にした場合、著しく健康を害すると警告している。
ブラジル地理統計院(IBGE)によると、国民のうち三千八百八十万人が平均体重をオーバーしており、七歳から十二歳までの児童の三五%が肥満児だという。
サンパウロ市在住で、五歳と二歳の子を持つ二十八歳の主婦は、幼稚園にサンドイッチと果物をもたせると、手を付けずに帰ってくるという。友達同士でテレビに登場する新製品を分け合って食べたとのこと。子供に分けへだてなく何でも買い与える親にも責任があるとしている。
この研究結果を受けて、衛生監視局は特別委員会を設け、商品の宣伝規制などを定める姿勢を示している。