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サンパウロ市周辺の日系政治家 約40人集めて就任祝い=初の試み 貢献誓い合う=文協で開催

1月28日(金)

 ブラジル日本文化協会など日系三十一団体共催の日系政治家就任祝いが、二十六日午後八時から文協貴賓室で開催され、昨年十月の統一地方選挙で当選した約四十人が出席して盛大に行われた。これだけの日系議員を集めて祝賀するのは初めてで、約三百人が慶祝に駆けつけた。
 出席したのは市長四人、副市長二人、市議三十三人。サンパウロ市百キロ圏を中心にリベイロン・ピーレス市、カッポン・ボニート市、ペルイビ市、イビウナ市などから招待した。
 「今回当選したみなさんの任期は〇八年まである。力を合わせて、盛大に移民百周年を祝いましょう!」と小林パウロ連邦下議は力強く呼びかけた。デカセギの増加で票が減り、日系社会の団結も弱まる中、前回の連邦選挙で日系候補は惨敗を喫した。「前回を乗り越え、今回は素晴らしい成績を残したことを自分のこととして祝いたい」。
 ガンを治すための化学療法で抜けた頭髪を隠すようにベレー帽をかぶった小林下議は、「おかげで若く見られるようになった」と冗談を交えながら、「現在、病状はコントロール化にあり、医者も仕事に励みながら任期をつつがなくまっとうできると保証している」と元気に語った。
 祝われる側からは、市長を代表してモジ市の安部順二さんが、「我々は先人から誠実さや勤勉さを受け継ぎ、そのイメージがあったからこそ政治家としての今の自分がある。この資質こそ、ブラジルに最も必要とされているものであり、そのために我々は死力を尽くさなければならない」と熱弁を奮った。
 先の選挙では、対立候補が「日本人はブラジル人を奴隷扱いして稼いだ金でいい車に乗って、いい生活している」などと宣伝したことを取り上げ、「このような人種差別には断固として抵抗しなくてはならない。モジの日系人は七~八%であり、私が当選したのは、そのような誹謗にも関わらず非日系からの大きな支持があったからこそ。その期待に対して、結果を見せていかなくては」と語った。
 副市長を代表したレジストロ市のカワモト・オクヤマ・サチ・イネスさんは、「市への産業、文化、社会、政治的な貢献により、レジストロにおける日系人の存在感は年々強まっている。市への役割を果たすためにも、百周年には素晴らしいフェスタをやりましょう」と語った。
 市議を代表してサンパウロ市の羽藤ジョルジさんは「百周年に向け、団結を強め、大きな力を発揮しよう」と呼びかけた。
 議員らに先立ち、上原幸啓文協会長は「心の底からおめでとうと言いたい」と述べた。石田仁宏サンパウロ総領事も「日本人の子孫であることに誇りを持って、日本文化にも理解と興味を。百周年には意義あるプロジェクトを検討してもらい、州政府や市役所とも協力してやっていく準備がある」と祝辞を述べた。
 午後九時から一階大サロンに場を移し、晩餐会に。援協の酒井清一副会長の音頭で乾杯し、十一時過ぎまで語り合った。
 慶祝に駆けつけたアチバイア日伯文化体育協会の辻修平会長は、「いい会だった。いつもこのようなことをやってくれれば、我々もサンパウロをレスペイトできる」と高く評価した。
 今回のコーディネートをした松尾治文協副会長は、「今回は狭い範囲になってしまって本当に申し訳ない。次回はできれば州全体に範囲を広げたい」との抱負を語った。