1月29日(土)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十八日】社会保険院(INSS)による社会保障費負担金の徴収額は二〇〇四年に九・四%増の九百六十億レアルに達し、過去最高を記録した。しかし、年金などの支出額は同年、一〇・五%増の千二百八十七億レアルに上り、社会保障費の赤字も三百二十七億レアルと過去最高となった。赤字はインフレを差し引いた実質レベルで、〇三年と比べ一四・一%増加した。
社会保険庁のシュヴァルツァー長官は、負担金徴収額の増加は徴収の強化と正規雇用の増加の結果によるとみなした。「〇四年に民間部門で百五十万人の正規雇用が生まれ、増加分の三分の二を占めた」。一方、同長官によると、政府は病気手当ての支給増加を懸念しているという。昨年政府は同手当て支給のため一億二千四百三十万レアルを支出し、この額は〇三年比で一六・一%増加している。
社会保障費の赤字はGDP(国内総生産)の一・八二%を占める。赤字は今後も拡大し、〇五年にはGDPの二%に達すると予想されている。公共財政が専門のエコノミスト、ヴェローゾ氏によると、最低賃金の引き上げで四十億レアル、九四年三月にレアルプランが実施された際の支給額未調整分の支払いなどで百二十億レアル支出が増えるという。
しかし、政府は〇五年に社会保障費の赤字が、GDPの一・六%に相当する二百九十九億レアルに減少すると見込んでいる。こうした楽観的見通しは、社会保障負担金の徴収を専門に行う機関の設立に基づくが、政府機関の新設で徴収額が増えたことは一度もないと同氏はコメントした。