ブラジルでも政府が力を入れれば、ゴミ一つない整然とした観光地ができあがる、という見本を見た。十八世紀の昔からサントスとサンパウロをつなぐ物資流通の動脈だった「カミニョ・ド・マール」。道は海岸山脈を切り開いてつくられた。麓のクバトンから登り切った地点までは高さおよそ七百メートル。
サンパウロ州政府が観光道路として整備しているのは九キロ。一般の車を通さないのでブラッコはない。枯れた枝、葉、散った花以外は歩道に落ちていない。ブラジルの、絶滅が危惧されている大小動物の八〇%がここに生息しているとか。
監督が厳しい。観光・見学を州当局に申請すると、人数を制限し、許可がおりる。監督・ガイドも付く。見学者は一人、三レアルのガイド料を支払う。これほどやって、自然環境保護ができるのだろうと納得する。 (神)
05/1/29