2月2日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十九日】ブラジルにも津浪が、押し寄せた形跡がある。北東部地方に高さ二十メートルを越す津浪が、時速百十二キロの早さで押し寄せた。時は六千五百万年前、同地域はまだ恐竜が棲息していた。地震は隕石の衝突が原因で引き起こされたと科学者は想像している。
ペルナンブッコ州の海岸では、石灰岩の岩肌に海水が激突した跡が残されている。ブラジルに押し寄せた津浪は、人間ではなく恐竜を呑み込んだ。地上に棲息していた動物の半分を絶滅させ、マンモス動物の時代を終焉に導いた可能性がある。
ブラジルが受けた津浪の被害は大きくないが、メキシコのユカタン半島を襲った津浪は高さが一千メートルに達したらしい。この大津浪でメキシコ全土ばかりでなく、ハイチや米国本土の広範囲を全滅させた。
南米大陸は、この津浪で地質が一変した。津浪の残りが広範囲に以前の地表を覆った。津浪の原因となった震源地は、チチュルブと推定されている。
津浪以前の生物と以後の生物が異なることが確認された。津浪以前に海中に棲息し、津波後に絶滅した動物も多数ある。現在棲息するブラジルの動物は、津浪以後に進化した動物と考えられる。ペルナンブッコ州の津浪の跡は、生命の起源も解明できそうな貴重な遺跡で、世界遺産に指定されるという。