ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 医薬品のばら売り延期へ=製薬会社、薬局が圧力かける

医薬品のばら売り延期へ=製薬会社、薬局が圧力かける

2月8日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙七日】製薬会社と薬局の反対を前に、政府は医薬品のばら売りの延期を決定した。衛生監督庁(Anvisa)は、公聴会で議論を始める前に同業界の代表から意見を聞き、この案の変更を含め見直しを行うことになった。
 同庁のマイエロヴィッチ長官は、我々は引き下がったわけではないと弁明した。医薬品のばら売りは、大統領令でそれが発表された直後から、論争を巻き起こしてきた。ばら売りは、偽造を避けるために数年前から実施されてきた医薬品の管理に致命的な打撃を与えると製薬会社は主張。薬局は薬剤師の不足で管理が行き渡らない点を憂慮する。箱から薬を取り出して分けるのは薬剤師の責任となるからだ。また、処方せんに記されたよりも少ない量で患者が薬を購入するリスクも指摘されている。
 医薬品のばら売りは一年前、他国での成功を踏まえ、消費者の医薬品購入が容易になるとグラジェウ前大統領補佐官が提案した。ルーラ大統領は、薬がいつも引き出しに残るのはお金のムダ遣いだと大統領夫人がこぼしていたことに触れ、提案には当初から大賛成していた。
 ばら売りがまだ承認されていないにもかかわらず、一部のバールやパン屋はすでにばら売りを行っている。一箱分を買うお金を持たない人には好評で、一つ当たりの価格が薬局の三倍で売られているものもあるという。