最も印象的な歌手はだれか。そう聞かれたら、カーニバルの季節ではなくても、リオのサンバチーム「マンゲイラ」のジャメロンと答える。
現在九十一歳。衰えを知らない、その太い歌声に初めて圧倒されたのは三年前のこと。コンサートは真夜中に始まった。独特の節で「ボア・ノイチ~」と登場。瞬間、ビリビリとした何かが身体を走り、肌がゾクゾクしたのをよく覚えている。
サンバの本流を歩んだサンビスタの大半は鬼籍に入った。先日もベゼーハ・ダ・シルヴァが七十七歳で急逝。ジャメロンは「国宝」的存在だ。
こりゃスゲーゼ。現役感バリバリの姿で画面に現われた。一九二八年設立の名門チームを、声ひとつで引っ張り抜くタフさ。腰痛などすでに老化の目立つわたしは、テレビ見物していただけで疲れたのに。 (大)
05/2/8