2月11日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】労働者党(PT)は十日、党結成二十五周年を迎えた。サンパウロ市近効のサンベルナルド・ド・カンポ市の金属工労組を母体として発足した党は、二十二年間、野に在りながらも辛抱強く政権奪回を試み続け、二〇〇二年にルーラ大統領を輩出するに至った。
この間ルーラ大統領はサンパウロ州知事一回、大統領三回の計四回の選挙に敗北しながらも立候補を続け「不屈の選挙魂」と呼ばれた。現在党員は八十四万百八人、労組や土地占拠運動(MST)グループが支援している。全国で四百十一人の市長、三百十三人の副市長、三千六百七十九人の市議が昨年十月の統一選挙で選ばれた。このほか三人の州知事、九十人の下議を有する。
しかし、これまで団結力で定評があった同党に今、不協和音が表面化している。これまでに反対派や不平分子が党内人事および閣僚人事で不満を表明してきたが、昨年の選挙での敗北で一気に噴出した。とくにサンパウロ市と、長年PT王国と自負してきたポルト・アレグレ市の市長選敗北が引き金となり、反対派が党首脳部の責任を追及し始めた。
なかでも党内分裂の醜態をさらけ出したのが、十四日に行われる下院議長選挙だ。党首脳部はグリーンハルフ下議を党公認として決定、無投票で指名しょうとしたが、反対派がヴィルジリオ氏を擁して一歩も退かぬため、投票に持ち込まれることになった。PT党対PT党の戦いという未曾有の出来事が注目を浴びている。
ルーラ大統領は事ある毎に党の結束を指示してきたが今回は困惑を隠せないでいるという。大統領は「これまで野党として攻撃一本槍だったが、今は与党として聞く耳を持つべきだ」と戒めている。
さらに党内ではプラナルト宮が経済政策を重視するあまり、党のこれまでのスローガンだった社会環境の改善がおざなりだとの不満も噴出している。支援団体の全国労組も大統領に直訴している。政府もこれを認めながらも「この問題は一朝一夕で解決できるものではない」と口を濁している。PT党の主な歩みは、
▼一九八〇年…二月十日党結成。六月二十五日ルーラ党首選出。
▼八二年…ルーラ党首、サンパウロ州知事選で敗北。ジアデーマ市に初の党市長。
▼八四年…大統領直接選挙運動を展開。
▼八五年…フォルタレーザ市で初の州都市長が誕生。
▼八六年…ルーラ党首、六十五万票の最高得票で下議当選。
▼八八年…初のサンパウロ市長にエルンジーナ氏当選。
▼八九年…ルーラ党首、初の大統領選でコロル氏に敗北。一九九四年、一九九八年にはカルドーゾ大統領に敗北。落選は四回となった。
▼二〇〇〇年…党二人目のマルタサンパウロ市長誕生。
▼〇二年…悲願のルーラ大統領が実現。