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基本金利引き上げに警鐘=経済成長率1ポイント低下

2月11日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】高金利政策により経済成長率は一ポイント低下し、二〇〇四年のGDPに換算すると百六十億レアルの損失が発生する可能性がある。
 エスタード紙が取材したエコノミストらは、昨年九月から二・二五ポイント上昇した基本金利が今後も上昇すれば、〇五年の経済成長は期待できないと警鐘を鳴らしている。エコノミストの多くは今年の成長率を四%と予想していたが、現在それは三から三・五%に低下した。
 ジェトゥーリオ・ヴァルガス大学のモリ教授によると、基本金利の引き上げは不要で、ブラジルの経済成長のけん引役だった二つの要因にマイナスの影響を及ぼしているという。〇四年の経済成長は融資と輸出の拡大によるが、高金利はこの二つに水を差す。融資の拡大は〇三年六月以降の基本金利の低下とともに始まり、主に耐久消費財の販売と投資を過熱させたが、今後は高金利により融資が減少する。輸出はドル安がブレーキをかけるが、高金利が多額の投機資金を呼び込むことで、ドル安圧力はさらに高まる結果となっている。
 全国工業連盟(CNI)が最近発表したデータは、在庫の増加と設備稼働率が上昇を止め、工業部門が昨年第4・四半期に成長の勢いを失ったことを示している。こうした不安要因の残る時期には、金利引き上げを保留するのが理想だという。