2月12日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】和議申請もできず進退に窮していた経営不振の航空各社と従業員組合は、会社更生法の裁可で曙光を見い出した。ヴァリグ航空やヴァスピ航空は、同法が両社の再建法を明示したことで、新規出資者が出現する可能性が大きくなったとみている。
これまで旧法は、航空会社の和議申請を禁じていた。百二十日後の施行とはいえ、法的手続きによる資産回収や凍結資産の利用などが認められ、会社更生の見通しは明確となった。軍政時代には新法と同様の会社更生法があったが、民政移管後に廃止された。同法が再度復活したことは大きな前進として、航空会社から歓迎されている。
軍政時代の六四年、会社更生法の改定があり、当時経営不振にあったパンエアー社に適用された。それを廃止せず継続していれば、ヴァスピ航空の旧従業員は塗炭の苦しみに会わずに済んだと関係者は同情する。
ヴァリグ航空のファジェルマン営業本部長は、これでヴァリグ復活が可能になったと満面に笑みをたたえた。まず出資者探しが容易になったこと。法的手続きの道が開かれたことで、債権者との交渉にも明るさが戻ったという。会社更生法はヴァリグのために立法化したものではないが、同法が救ったのは事実と感謝した。
二十五億レアルの負債を残して航空業務を停止したヴァスピ航空は、同法が会社売却を有利に導くとみている。カニェード社長は、法的手続きによる会社の再建を考えていない。同社長がサンパウロ州地方裁判所に提出した二十六件の申請書類は、却下された。同社への新法適用はないようだ。
トランスブラジル航空は〇一年、営業を停止した。会社更生法の適用により債務期限を延長し、同社はエアカーゴ専門の航空会社で再出発するらしい。同社はGEに二百七十万レアル、二千九百人の従業員と納入業者、滞納税などに十億レアルの債務がある。
一方では、会社更生法の施行が遅すぎたという批判もある。旧法の不備によりコチア産組やマッピン、メスブラなど中堅優良企業五十社以上が、閉鎖のやむなきに追いやられた。生涯を会社に預けた古参従業員が失職して巷間にさ迷うなど、数々の悲劇を生んだ。