2月15日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】中国から輸入される安価な工業製品が、ブラジルの各工業部門を脅かしている。サンパウロ州工業連盟(Fiesp)の調査によると、中国製品の輸入は〇四年に三十三億三百万ドルと、前年比で八二・八三%増加。部門別でみると増加率は、家具九六%、繊維一六九%、セラミック一九三%、電子機器は五一四%、化学製品は五七五%と急増した。
同連盟のスカフ会長によると、中国製品の価格は意図的に低く設定されており、世界のどの国の製品よりも安いという。人民元はレアルより約四〇%低く抑えられ、それが中国製品の競争力を高めている。
為替要因に加え、非常に低い労働コストが高い競争力を生み出している。ドイツのコンサルタント会社ローランド・ベルジェールの調査によると、ブラジルの労働コストは一時間当たり三・一九ドルと、中国の一・〇四ドルのほぼ三倍だ。
〇四年の対中貿易は、輸出が五十四億ドル、輸入は三十七億ドルと十七億ドルの黒字だが、工業製品は輸出の三五%、輸入のほぼ九〇%を占めるため、工業部門の貿易収支は赤字となっている。
中国製品との競争に敗れた結果、倒産や失業が増えることがないよう、同連盟はセーフガード(緊急輸入制限)などの対策を政府に求めていく考えだ。