2月16日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】ブラジル地理統計院(IBGE)が十四日に発表したところによると、一月の広範囲消費者物価指数(IPCA)の上昇率は〇・五八%で、昨年一月の〇・八六%、同十二月の〇・七六%よりも低い結果となった。
IPCAは政府のインフレ率算定の公的基準となっているが、エコノミストらは一様に一月の小幅な上昇は一時的現象で、インフレ抑制のインパクトにはならないとの見方を強めている。IBGEの統計では過去十二カ月間の累計は七・四一%となっており、今後もこのベースで推移していくと予測している。
これにより、政府が目標として掲げている今年のインフレ五・一%の達成は至難の業となり、最低で六%、場合によっては七%を超え得るとの見方を示している。中銀でも同様の警戒を強めており、十五日から開かれた通貨政策委員会(COPOM)の決定を受けて基本金利(SELIC)の引き上げが行われると予想されている。
IBGEによると、一月のIPCAの上昇は電気代、長距離バス運賃、鉄鋼、食料品の値上げに起因しており、これらの分野で〇・三七%と全体の三分の二を占めた。とくに鉄鋼の値上げで、住宅(一・四三%)、家電製品(一・三五%)、自動車(一・二七%)がそれぞれ値上げを余儀なくされた。新学期による授業料や学用品の値上げは含まれておらず、二月度にインパクトを与える。
国庫局のレビー長官は、ブラジルは歴史的にインフレという爆弾を抱えており、国家財政への影響は大きいとし、消費者物価指数が七%以上というのは発展途上国の中でも高いレベルに位置するとみなす。
昨年内に値上げされた商品で、まだ末端の消費者物価に反映されていないものもあり、不安要因となっている。中銀はこの点を最も危惧しており、このため前回の基本金利引き上げの際に「金利引き上げは今後も続行する」と明言した。
中銀筋によると、十五日から開かれるCOPOMの会議で基本金利は現行の年利一八・二五%から一八・七五%に引き上げられ、三月にはさらに一九%となる見込みだという。このレベルで八月ごろまで推移し、その後一八・五%へと、引き下げ傾向に移るとの見方を示している。
これを裏付けるように、中銀のメイレレス総裁は金利を引き下げるとの態度を明らかにした。リオ州工業連盟の集会での演説の中で、ブラジルのカントリーリスクが低下したことで外国の信用度が増しており、この結果投資に期待できるとし、中期および長期的に金利を引き下げていくことを明言した。今回のCOPOMの会議については言及を避けた。