2月16日(水)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十五日】サンパウロ市東部ペンニャ区で十四日午後四時、映画もどきの、警官らによる強盗犯の白昼の追跡劇が展開された。
強盗の現行犯でパトカーに追跡された四人組は、盗んだホンダ製シビックをぶつけたため、徒歩で逃亡を始めた。その中の主犯格の男(27)は地下鉄のパトリアルカ駅構内に逃げ込み、列車に乗り込んだ。
パトカーの要請で応援隊百人の警官が動員され、地下鉄各駅を張り込んだ。ギリェルミナ駅で下車した犯人は警官に包囲されたが、バス停にいた母(58)と娘(27)を人質に取り、ピストルを発砲しながら楽器店に入り店主も人質にして立てこもった。
犯人は報道陣を呼ぶよう要求し、テレビ撮影を強要した。人質の話によると、犯人は両親に電話し、テレビに自分が写っているか問い合わせていたという。警官が店内にテレビを持ち込みニュースを流したところ、犯人は納得して落ち着いた。その後、人質を一人づつ解放し、一時間後に投降した。
犯人はメトロの扉がなかなか開かないため窓ガラスを割って下車した。その時に傷つき、ピストルを持った右手は血だらけとなっており、人質の恐怖心をあおった。人質の女性は一歳四カ月の男児と散歩中で、子供は一人ぼっちで母親を待ち続けていた。