2月16日(水)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙二十三日】マット・グロッソ州のブライロ・マジ知事(社会大衆党=PPS)は鶏粥と誠意は誰にも歓迎されると述べ、国民の声を代弁するため二〇一〇年の大統領選に立候補すると声明を発表した。同氏は個人の大豆生産者としては世界一。大豆で全国の六〇%を生産する同州の総指揮官。〇五年は大豆には良い年だが、ブラジルには難しい年だろうと予告した。
〇五年に同州は二十四億レアルの損害を被ると同知事は記者団にいう。〇五年の経済成長は一般国民を潤さない。側近は腰抜けばかりだから、物事は大統領の思うように行かない。伯銀は、年金基金(PREVI)が融資している企業のライバル会社には金を貸さない。ようやく融資を取り付けるとシウヴァ環境相が握り潰すと皮肉った。次は記者との質疑応答。
【ブラジル農業の損失とは】これまで農業生産者はヘクタール当たり、三百レアルの利益を得た。それが〇五年はゼロ。マット・グロッソ州が被る損害は二十四億レアル。ドル安による収入減と資材の高騰、サビ病の侵入で二千二百万トンの減収となるだろう。
【政府の措置は】この損失が国家財政にもたらす影響は大きい。それが現れるのは三月から。政府は債務決済に追われ、事態の重大さに気付かないか後回しにするつもりらしい。農業近代化への融資を他へ流用し、生産者は資金繰りに青息吐息でいる。
【マクロ経済政策は】評価するが、国民一般には恩恵が届かない。現在の経済政策を継続するなら、永久に国民は浮かばれない。政府は生活扶助制度を設けた。ブラジルの歴史を振り返ると、国民に魚を配布したのは初日だけだった。二日目は、釣竿を配布する。その後は釣り方を教えるのだが、全く下手なのだ。
【大統領府と関係省庁の足並みは】まず大統領府と財務省の足並みがバラバラ。国際通貨基金(IMF)の要求に従った財政黒字の計上はよい。しかし、政府は営利団体ではないから、財政黒字にこだわる必要はない。IMFの要求を達成しなくても道は閉ざされない。政府は国家安泰を優先し、IMFを恐れずに交渉するべきだ。
【農業政策への意見は】農相の政策はよいが、農業融資政策はお粗末。生産者は外国の食糧メジャーから融資を受けているのが実情だ。作物がフェイジョンなら、政府は融資金を捻出する。問題は農業金融政策が存在しないことだ。
【インフラ整備と官民合資法】インフラ未整備のため、生産者は契約不履行で多額の罰金を払っている。インフラ整備ができるほどの金額を生産者は罰金として払わされている。
官民合資法(PPPs)について小話がある。中国人が多勢やって来て国道建設の資金を出すと何度も会議を開くが、金は来そうにない。純朴な奴が自分の金で国道を造る。州が通行料金を取る。官民合資法は、議論が先行している。一番大切なのは純朴な奴が持つ金だ。
【優先するインフラは】先ず北部鉄道の延長線。次が、アラグアイア地方の国道一五八号線。三番目がマット・グロッソ北部とサンタレンを結ぶ国道一六三号線。インフラ整備を実現するため、大統領と議会の中間に総理大臣が必要だ。大統領は客の応対に追われ何もできない。国民はどの政権がインフラ整備を実現するかは関心がない。実現するなら、誰でもよいのだ。
【遺伝子組み換えについて】科学の進歩には賛成だ。科学を否定すると、石器時代に逆戻りをする。生産原価が安くなり、利益が多いなら誰でも飛びつくはずだ。それをPTは愚かな哲学論議をしている。ローマ法王でさえ遺伝子組み替え食品を認めたのに、マリーナ環境相は異論を唱える。