2月17日(木)
日系社会は第二の父親だと思っていますーー。今年からサンパウロ市スポーツ局長官に就任したマルコ・アントニオ・トルトレーロ氏が十六日、リベルダーデ区を訪れ、日系社会のスポーツ関係者と懇親した。会場となったレストラン「奥山」には野球、相撲、ゲートボール、ラジオ体操連盟などの関係者が出席。野村アウレーリオ、ウィリアム・ウー、羽藤ジョージ、神谷牛太郎ら日系議員も駆けつけた。
小柄だが、がっしりとした体格。今年からサンパウロ市のスポーツ局長官となったトルトレーロ氏は、サンカエターノ市長も務めた父親に勧められ、五歳から柔道を始め、現在は有段者。
「柔道というスポーツは私の人格形成に大きな影響を与えたと思う」と話し、「父親は昨年亡くなったが、日系社会を第二の父親のように感じている」と親近感を強調。訪日経験もあり、局長就任後、局職員の半数に日系人を採用するなど日系への信頼は厚い。
トルトレーロ氏によれば、現在サンパウロには市営スポーツセンターが二百十、スポーツクラブは四十二ほどあるが、多くが使われていない状況になっており、市としては、今後これを有効活用する考えだという。
「ブラジルは多くの人種がおり、優秀な選手がでる大きな可能性がある。様々なスポーツに接することのできる環境作りが、ブラジルスポーツ界の発展につながる」との考えを示した。
スポーツ局の予算は昨年度より減額されており、非常に苦しい状況だという。「とりあえずは、すでにあるプロジェクトを継続していきたい」と現状維持の構えを見せつつ、日本移民百周年については、「州議員だったころから関心があった。今回の任期中に〇八年を迎えるので協力していきたい」と述べた。
今回コーディネーター役を務めた沢里オリヴィオパウリスタ野球連盟会長は「この機会が日系スポーツ界の活性化につながれば」と話した。