2月18日(金)
大阪橋の袂で路上生活をしていた新崎武美さん(51、沖縄県出身)は、日系老人ホームに入る方向で将来を考えることになった。窮状を知った日本の肉親が月に三万円で一年分三十六万年を近々一括して送金する意思があることを、沖縄ブラジル協会を通じて伝えた。これを受け、沖縄県人会(宮城調智会長)はサンパウロ日伯援護協会(和井武一会長)などと調整に入りたい考え。ガルボン・ブエノ街の商店主などを巻き込んだ騒動は、ひとまず決着しそうだ。
新崎さんは今月七日、同県人会に保護され、スザノ市の日系団体の会館に宿泊している。松堂忠顕次期第一会計理事によると、栄養状態が改善し、血色が良くなった。「あと四~五日で、解決すると思います」と胸を撫で下ろす。
三味線を弾きこなすという新崎さん。故郷の調べを恋しがっていることから、「三味線を調達してあげてもよい」と、至れり尽せりだ。
老人ホームに入居するには、月々三万円ほどかかると県人会は見込み、肉親に援助を直接求めるつもりだった。電話が不通になっており、沖縄ブラジル協会に面談に向かってもらった。
肉親側は、勤労意欲を見せない新崎さんの状態を顧慮して、必要経費を送金することを決意した。日本側で、所持していたパスポートは既に送付。沖縄県人会に届いている。
松堂次期第一会計理事は「私のシャッカラの管理や、メルカードでの荷下ろしなどの仕事を紹介した。でも、本人が出来ないと言うので、困惑していた。日本の家族が救済の手を差し伸べてくれることになり、感謝しています」と話している。
大阪橋袂に新崎さんがつくったテントは、撤去された。