2月19日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十八日】世界貿易機関(WTO)は、EUがブラジルから輸入する鶏肉にかける関税を不当とする判断を下した。外務省が十七日、明らかにしたもので、最終決定は三月二十四日に行われるが、これに先立ちWTOは文書でEUに伝えたことが明らかになった。ブラジル側がWTOに提訴していたもので、これで昨年の砂糖問題に続き二度目の勝訴となった。
EU側は二〇〇二年から国内産業の保護を理由に、それまでの関税一五・四%を七五%に引き上げた。これに対しブラジルは、不当な引き上げだとしてWTOに提訴していた。同様な措置に対しタイ、中国も追随した。外務省は、引き上げによりEU諸国向け輸出は競争力を失って八〇%減少、年間三億ドルの被害を被ったとしている。
ブラジルは一九九七年に輸出を本格化し、この年の輸出は四万一千トンだった。〇一年は十八万三千トンに達したものの、翌年は新関税で大幅に減少した。EUはWTOの決定に対し控訴する構えをみせているとのことだが、ブラジル外務省はWTOの決定は覆らないと楽観視している。