2月24日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十三日】ルーラ大統領は訪問先のマット・グロッソ・ド・スル州で二十二日、当地での演説の中で、ブラジルは国際通貨基金(IMF)の金融支援はもはや必要ないとの見方を示し、三月に期限切れとなるIMFとの契約は延長しない方向で検討するとの立場を明らかにした。
大統領によると、昨年度に高成長を記録した国内総生産(GDP)は今年も維持できる見通しで、さらに輸出拡大の結果、従来の外債支払いのためのIMF資金援助に頼る必要がなくなり、自立できることを強調した。パロッシ財務相はこれまで、ブラジルに有利な条件での契約延長を検討中との態度を表明してきたが、最近になって契約延長を否定する発言が行われるようになり、それは大統領の意を汲んでのこととみられている。
今年のGDP成長率については、中銀筋では三・七%、リオ連邦大学経済グループは四%としており、大統領はこれに対して昨年並みの五%台は維持できるとの強気の発言を行った。基幹産業である鉄鋼分野に向う五年間で二百五十億ドルを投資して生産を倍増、他の分野も視野に入れるとの方向性を示し、経済成長は止まらないと明言した。
また、輸出累計は三月中にも千億ドル台に達するとして、「我々の外国訪問は儀礼外交ではなく、ブラジル産品の売り込みのためで、その成果が現われている」と、大統領の外遊が多すぎるとの批判に釘を刺した。
いっぽうIMFは同日、大統領の発言を受けて、インフラ整備を目的とする公共事業への支出予算を第一次黒字決算に含まないことを承認する旨、非公式に通達してきた。正式決定は五月となる。これはブラジル側が提言していたもので、IMFの債務支払いは第一次黒字の一定比率となることから、公共事業予算分は免除される利点がある。IMFによると、この方式は例がなく、今回がテストケースになるという。