沖縄県人会の人事が世代交代を明確にした。さきごろの臨時総会の役員選挙で初めて二世会長、与儀昭雄氏が誕生したのだ。県人会の二世会長は、珍しくはない。同県人会の場合、三年後の日本移民百年記念祭は、一世の主導で行く、との意見も強く、バトンタッチは時間をかけた論議の結果であった。それだけに並々ならぬ決意、意気込みが感じられる▼聞けば、会員に二世が多く、さらに支部長クラスがすでに世代交代を果たしているという。これは全伯に支部のネット(網)がある大所帯である同県人会の特徴だ▼他県人会は、二世を呼び込みたい、県人会離れを起こさせまい、の状態である。呼び込まなくても自発的に会員になり、役員に推され、主流となるのはここだけだ▼会費納入者も二世が多い。よくいうところの「一世はすでにサイフを渡した」のである。選任された与儀新会長が本紙記者に話した中に、一世に安心してもらえるようにしたい、という喜ばせる言葉があった。先達への敬意、敬老精神の表れだ。過去、バトンタッチを受けた世代からこんな言葉は余りきいたことがない▼これは県人会が確実に継続されて行く未来があることを意味する。おそらく、母県も歓迎するだろう。そして「子孫も県人である」はますます徹底される。母県における県人子女の市町村単位の研修生の受け入れぶりは「世界中の県人子孫もみな家族」の言行一致した姿である。世代交代がブラジルで行われても、絆が揺らぐことはあるまい。(神)
05/2/25