タンゴの本場アルゼンチンのファンもうならせる演奏で評判の高い、若手実力派バンドネオン奏者、小松亮太さんのサンパウロ公演が三月二日、市内SESCヴィラ・マリアーナである。タンゴの革命児でバンドネオンの天才的奏者といわれたアストル・ピアソラ(一九二一~一九九二)の作品を中心に演奏。今月十八、十九日のペルー・リマを皮切りに始まった南米ツアー(四カ国五都市、国際交流基金主催)の一環で、ヴァイオリン、チェロ、ピアノ奏者ら日本人音楽家十一人が参加する「オルケスタ・ティピカ」を率いての公演だ。
小松さんは一九七三年東京生まれ。十四歳からバンドネオンを独習。両親ともタンゴ奏者で、ピアニストの母はピアソラとも親交があった。
CDデビューは一九九八年。以後日本を代表するバンドネオン奏者に成長し、タンゴ以外の分野でも国内外のトップアーティストと意欲的に競演。一昨年にアルゼンチンで開かれたライブは熱狂的な反響を呼び、地元の演奏家協会や音楽組合などから表彰された。
小松さんらの演奏について、有力紙「ラ・ナシオン」の記者は、「十一人のクラシカルな編成で、しかも非常にダイナミックでクリエイティブ。ブエノスではもうこのスタイルは少ない」などと絶賛している。
リマ、アスンシオン(二十二日)でのコンサートを終えた現在は、ブエノスアイレスに滞在中。二十四日から同地で三日連続公演が組まれており、二十七日には第七回フェスティバル・ブエノスアイレス・タンゴに出演するという。
ブラジルではカンピーナス(三日)、ピラシカバ(四日)のSESCでも公演。五日はリオデジャネイロのサーラ・セシリア・メイレレス。
サンパウロ公演は午後九時から。一般十五レアル、六十五歳以上は半額。問い合わせは11・5080・3000(SESCヴィラ・マリアーナ)。ペロタス街141。