3月1日(火)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】アマゾン地方の熱帯林が上質かつ高値で取引されることから、伐採業者は巨額の富を得ている。伐採の半数は不法に行われており、政府が確たる措置を講じなければ、近い将来、アマゾンの森林は裸になると関係者は警告を発している。
アマゾン人間・環境院(Imazon)によると、過去三十年間にアマゾン地方の森林は一四%減少した。一年間で平均〇・五%の割合となる。アマゾン地方は五百平方米の面積を有しブラジル全土の六〇%に相当するため、一年間に消滅する森林面積はアラゴアス州の面積に匹敵する。年間の伐採量は二千八百万立方で、十七立米積のトラックで一日に土日曜も休まず四千五百台が材木を運んでいる勘定となる。これは製材用のみで、燃料の薪や木炭用を加えるとさらに増加する。
製材用木材は上質のもので、国内で立米当り三百五十ドル、輸出向で六百ドルの高値を付けるため、伐採業者は入植一年目で黒字を産むという。このためこの地区には二千六百社の伐採業者が集中し、三百五十万人の従業員を抱えている。
ブラジル全体の木材輸出は、昨年三十八億ドルで、二〇〇三年の二十六億ドルから四四・四%と急成長したが、その八〇%はアマゾン森林だった。一九九七年に伐採が解禁となった時は、対象面積は八万ヘクタールだったが、現在は百八十万ヘクタールとなっており、熱帯雨林を抱える世界の国ランキングで五位に位置している。
伐採の後は放牧や農場となり植林が行われていないため、これを義務付けることが肝要だと関係者は口をそろえる。特に上質な木は太陽光線とスペースが必要で、成木になるまでに年月がかかることから、早急な対策が必要だとしている。
いっぽう伐採業者は木材搬出のために道路を整備。その距離は三千キロに及び、同地方の発展に貢献している。
全国の木材消費は一億三千万立米に達するが、アマゾン産木材の消費はサンパウロ州ボトゥポランガ、ミラソル、チェテ、イタチバ、サンベルナルド・ド・カンポの各市に集中している。輸出は六〇%が米国とイギリス向けとなっている。全世界の消費は千八百億ドルで、ブラジルのシェアーは九〇年代は一・五%だったが、現在は四%になっている。