3月2日(水)
JICAの青年ボランティア十八・十九期生計二十八人が去る二月二十五日、老人ホーム「憩の園」を慰問し、昼食を振舞うなどして交流を深めた。日本語教師が大半を占める青年ボランティアに、帰国を前に日系福祉施設を見学してもらおうと、〇三年にスタートした企画。今年が三年目になる。今回からより効率的に実施するため、任期を半分終えたボランティアも参加することになった。
手作りによる刺身やチラシ寿司、焼き魚などが食卓を飾った。「三年目を迎え、アンショーバ(鱒)の焼き方にも味が出てくるようになった」と、JICA職員の村上ヴィセンテさんは話す。「もちろん、要介護者のためにきちんと骨を取り除いてあります」。
一般介護棟の食堂では、入所者とボランティアが隣り合わせる形で着席。出身地や渡伯後の生活などをネタに会話を楽しみ、記念撮影をするなどして思い出を残していた。
石橋隆介JICAサンパウロ支所次長は「十八期生は三月、二年の任期を終えて日本に帰ります。そのお別れの意味が、施設訪問に込められています。親孝行するつもりで、食事を準備しました」と挨拶。
これに対して、憩の園を運営する救済会の左近寿一会長が「今、九十五人が入居しています。ここに集まった人は、自分で身の回りの世話を出来る方。大部分は、介護の必要なお年寄りです。皆さんが料理した食事を楽しみにしていました」と返礼した。
午後からは、十八期生が「夕焼け小焼け」や「ふるさと」などの歌を、十九期生が軽体操を披露した。モジ・ダス・クルーゼス市の文協で日本語教師を務めていた五島聖志さん(39、神奈川県出身)が帰国組の十八期生を代表。「二年間はあっという間に過ぎてしまいました。今日、一緒に食事をしたり、歌ったりする機会に恵まれて幸運でした」と語った。