3月3日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ブラジルでヤセ薬の消費が過去五年間で五〇〇%と、驚異的に急増している。消費は年間二十トンに達し、世界で三番目の消費国となった。
これは国連下部組織にある専門機関のメンバーが二〇〇三年十二月に来伯し調査した結果で、ヤセ薬のほとんどは食欲減退の効果を狙ったもので、人体に有害な物質が含まれている。なかには劇薬に近いものも調合されているという。これに対しメンバーらは、保健省の管理とチェックおよび使用を規制する措置が必要だと指摘している。
国内では肥満症が増加したことで一九九八年に規制が緩和され、医師の処方付きでこれら医薬品の販売が許可された。折からのダイエットブームで新製品が続々と登場し、需要が急増した。これに拍車をかけたのがインターネット販売で、医師の処方が必要ないことから販売を伸ばした。
これらは即効性を唄い文句に、人体に有毒な、あるいは副作用を起こす薬が調合されている。インターネットは青少年の利用が増えており、製品をチェックせず、単に友人が使用しているからと利用している危険なケースが多い。アメリカでは未成年者の利用が急増し社会問題になっているという。
市販薬の中にはオピオイデス(モルヒネ)、エステムランテス(アンフェタミン)、ベンゾジアゼピコス(アルプラゾラン、ジアゼパン)など人体に有害な物質が含まれており、現在国内のこれらの使用量は、コカインの消費量を超えている。