3月3日(水)
小泉首相の〃感動〃がグアタパラへ――。小泉首相直筆で「感動」と書かれた揮毫が二日サンパウロ総領事館で、グアタパラ農事文化体育協会の川上淳会長に手渡された。首相の従兄弟にあたる井料堅治さん(サンパウロ市、73)宛てに送られたもので、文協への揮毫もあった。川上会長は興奮した面持ちで「感動しかない」と話した。同移住地では碑を建設する計画があり、今年七月の入植祭までには完成させたい考えだ。
昨年九月ブラジルを公式訪問したおり、グアタパラ移住地を訪れ、移住者と交流した小泉純一郎首相。文協でのスピーチで同移住地での歓待ぶりに触れたおり、感涙に咽ぶ姿は日本でも報道され話題を呼んだ。
グアタパラ文協から揮毫の依頼を相談された井料さんが昨年十一月、小泉首相へその思いを伝え、今回の揮毫寄贈となった。
首相と電話で揮毫の文字について話し合ったという井料さんは「感激、感動、感泣などのなかから、今回の文字を選んだ」とエピソードを披露した。
揮毫は「感動 日本移民発祥之地 二○○四年九月十四日 内閣総理大臣 小泉純一郎」と書かれ、縦一メートル、横一・八メートルの大きさ。
川上会長は「(グアタパラ)移住地がもらったということは、先駆移民、日系百四十万人がもらったようなもの。そういう意味合いを含めて真摯に受け止め、首相の意にこたえる碑を建設したい」と笑顔で話した。
先月二十六日に同移住地文協の総会で二万レアルの予算が承認されており、七月の入植祭までには碑を完成させる考えだ。建立の地には、会館敷地内が候補に挙がっているという。
石田仁宏総領事も「大変素晴らしい。移住地の人の苦労も報われるのでは」とコメントした。
今回の揮毫は文協にも送られていた。これは一月、ニッケイ新聞の高木ラウル社長が飯島勲秘書官を通じて依頼していたもので、当日、石田総領事と包装を解いた井料さん自身も知らなかったようだ。
文協へのものは「日日新 新天地」と書かれており、グアタパラのものとは少々サイズの小さいものとなっている。